行政書士試験において、多くの受験生を最後までヒヤヒヤさせるのが、「基礎知識等科目(旧・一般知識)」の基準点、いわゆる「足切り」と言われるもの。

全14問(56点満点)のうち、6問(24点)以上を取らなければ、たとえ法令科目でどれだけ高得点を叩き出していても、その時点で不合格になってしまいます。

今回は、この恐ろしい足切りをどう乗り越えるか、私自身のケースが少しでも受験生の皆様の参考になれば幸いです。

📊 基礎知識等科目の「4つの分野」と具体的な対策

行政書士試験の基礎知識は、「文章理解」「情報通信・個人情報保護」「行政書士法等の諸法令」「一般知識」の4つの分野から出題されます。まずはそれぞれの具体的な対策ポイントと問題数の内訳を整理してみます。

  • 文章理解(3問) ここは日本語のパズルです。暗記ではなく「解き方のコツ」さえ掴めば、確実に得点源になります。過去問や、公務員試験の過去問などを活用して感覚を磨くのがおすすめです。ここで3問取れると、残り11問中3問でOKになるので、精神的にめちゃくちゃ楽になります。
  • 情報通信・個人情報保護(3〜4問) IT業界出身の私から見ると、試験に出てくるIT用語には「お、おう……懐かしいな」「今それ聞く?」と、ちょっとツッコミを入れたくなるようなクラシックな用語や、逆に「そこまで細かく聞く?」というものまで様々です(笑)。個人情報保護法やIT用語などは出題範囲が比較的絞りやすいため、比較的得点しやすい分野です。極端な例ですが、「ファイアウォールとは火事を防ぐための壁である」といった、「いやいや、そういう意味じゃない(笑)」と思わずツッコミを入れたくなるような選択肢もあります。個人情報保護法などの法令部分は、カチッとした条文知識なので努力が裏切りません。IT用語に圧倒されず、ここは確実に点数をもぎ取りたいゾーンです。
  • 行政書士法等諸法令(2問)
    『行政書士法』や『戸籍法』など、行政書士の業務に密接に関わる法令から出題されます。この分野は試験制度の見直しによりちかごろ新設されました。行政書士として必要な基本的な法令や職業倫理への理解を確認する趣旨が反映されています。出題範囲は比較的限定されているため、過去問を中心に対策しておくと得点しやすい分野です。
  • 一般知識(5〜6問) 政治・経済・社会など範囲がとにかく広大です。ここは満点を目指さず、「広く浅く」2問程度の正解を目指すのが戦略的です。

🤝 塾講師としての経験が、最大の武器になった

さて、ここからは私自身の体験談ですが、上記の分野のうち政治・経済・社会といった「一般知識」の個々の分野については、試験用の勉強をそれほどしない状態で点数を稼ぐことができました。

というのも、もともと歴史や雑学的なものが好きだったことに加え、日頃から塾で生徒たちに地理、歴史、公民を教えているという環境があったからです。日々、基礎的な社会科の知識に触れていたことが巡り巡って最大の武器となり、結果的に基礎知識対策になっていました。

また、先ほどツッコミを入れたIT分野や個人情報保護関連などについても、昔の仕事の知識があったため、スムーズにクリアすることができました。

📺 机に向かうだけじゃない。「普段のアンテナ」が命を救う

こうした経験から、私が基礎知識の対策としておすすめしたいのは、机に向かって参考書とにらめっこすることだけではありません。

APEC、ASEAN、G20、EU、UNHCR、UNESCOなどの国際機関・国際会議の名称は、試験でもよく目にします。私のおすすめは、略称だけを丸暗記するのではなく、英語の正式名称で覚えてしまうことです。

例えば、次のようなもの

  • APEC = Asia-Pacific Economic Cooperation(アジア太平洋経済協力)
  • ASEAN = Association of Southeast Asian Nations(東南アジア諸国連合)
  • UNESCO = United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(国際連合教育科学文化機関)
  • NATO = North Atlantic Treaty Organization (北大西洋条約機構)

UNで始まるものは United Nations(国際連合) に関係するものが多く、UNESCOUNHCR もその仲間です。

このように英文として理解しておくと、頭文字の並びが単なるアルファベットではなくなり、記憶に残りやすくなります。

また、正式名称とは別に、自分なりの「覚え方」を作るのも一つの方法です。

例えば私は、受験生に「ASEAN は『Asia・South East Asia』くらいのイメージで覚えておけば、東南アジアの組織だとすぐ連想できるよ」と話すことがあります。もちろんこれは正式名称ではなく、あくまで覚え方のコツです。正式名称は Association of Southeast Asian Nations ですが、試験の対策ということでいえばまずはイメージで定着させてから正式名称を覚える方が、記憶に残りやすいこともあります。

こうした日々の小さな積み重ねが、試験当日の貴重な1点につながります。

基礎知識は「直前に詰め込む科目」ではなく、「普段からアンテナを張っておくことで自然と力が付く科目」だと感じました。

勉強に飽きてきた合間や、ご飯を食べながらYouTubeで時事ニュースを見る。そんな気軽な勉強法が、意外と基礎知識対策には効果的です。肩の力を抜きつつ、日々の生活の中にアンテナを広げてみてくださいね。

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