行政書士試験に挑戦する際、まず直面するのが「予備校に通うか、独学か」という選択です。
私は迷わず「独学」を選びました。 もちろん最大の理由はコスト面でしたが、一番の理由は自分の性格です。もともと人の言うことを聞きたがらない性分な上、かなりのせっかち。決められたカリキュラムに沿って、自分のペースを崩されるのがどうしてももどかしく感じてしまうのです(笑)。
そんな「自分勝手な独学」をスタートさせた私が、最初にぶつかった壁と、そこから得た教訓について書き残しておこうと思います。
暗闇の中の第一歩
「やるぞ!」と決めたのはいいものの、最初は「何から手をつけてよいものやら」とさっぱり分かりませんでした。
そこでまず頼ったのは、YouTubeの動画です。特に、定評のあるゆーき先生の「ゆーき大学」には大変助けられました。行政書士試験の全体像と、漠然としていた勉強の進め方を具体的にイメージすることができたからです。
チャンネルには「日本一のわかりやすさ」と謳われていますが、まさにその通り。軽妙でテンポの良い語り口は、ともすれば難解になりがちな法律の話を、身近な実例を交えて驚くほど噛み砕いて解説してくれます。抽象的な概念がスッとイメージに変わっていく感覚があり、「これなら自分も進められるかもしれない」と、漠然としていた勉強の進め方を明確にイメージすることができました。
そこで推薦されていた、「合格革命 行政書士 基本テキスト」と「行政書士 肢別過去問集」を相棒に、私の挑戦は始まりました。


「分からなくても一周」の真意
学習のスタイルは、至ってシンプルにしました。といっても先生の受け売りです。
- 講義動画を見る
- テキストを読み込む
- 肢別過去問集を解く
このサイクルを、まずは一周回してみる。 ゆーき先生や多くの諸先輩方がおっしゃる通り、「いっぺんにすべて理解しようとしないこと」を自分に言い聞かせました。どうせ一回では理解できません(笑)。まずは未完成でもいいから最後まで辿り着く、「完走」を第一に考えました。
致命的だった「迷子」の経験
しかし、実際に回し始めて痛感したことがあります。それは、「今、自分がどこを走っているのか」を常に意識することの重要性です。
講義動画の中で先生方は、「今は行政手続法の話ですよ」「今は訴訟法の話ですよ」と繰り返し注意を促してくれます。最初は「ふんふん、なるほど」と聞き流していましたが、実はこれこそが最も致命的なポイントでした。
行政法の世界は、似ているけれど微妙に違うルールが山ほど出てきます。
「あ、これは手続法だった!」「あ、今は訴訟法の話をしているんだっけ?」と、勉強しているうちに自分がどの法律の、どのフェーズにいるのかが分からなくなってしまうのです。
勉強の命綱は「セルフGPS」
自分が今、どの法律の迷宮にいるのか。それを把握せずに闇雲に知識を詰め込むのは、地図を持たずに見知らぬ土地を歩くようなものでした。
- 今、自分はどの法律の条文を読んでいるのか?
- それは「事前」の手続きか、「事後」の救済か?
常に自分の今の立ち位置を確認し、全体像の中の「ここ」をやっているんだ、と思い直す。この「セルフGPS」とも言える意識を持つことが、混乱を防ぎ、知識を整理するための最大のポイントだったと、今振り返っても強く感じます。
子どもたちの声と、自分のつぶやき
塾での授業中に子どもたちが「あ、そっちか!?」と声を上げることがよくあります。
彼らもまた、知識の迷宮の中で「今どこにいるか」を必死に探している真っ最中。
そんな姿を見守りながら、当時、自分も勉強中に「なんだそっちかよっ」と独り言をつぶやいていたのを思い出し、笑ってしまいました。
せっかちな独学でしたが、この「GPS」を止めずに進んだことが、合格への大きな要因だったと思っています。

