私は普段、行政書士として様々な許認可の手続きを専門としておりますが、実は自分自身でもドローンの二等無人航空機操縦士(国家資格)を取得した「現役のドローンパイロット」でもあります。

ドローンの国家資格を取ろうと調べ始めると、多くの方が最初にこのように思われるかと思います。

「ドローンスクールに申し込んで、そこを卒業すれば国家資格が取れるのでは?」

……実は、それだけでは国家資格は取得できません。

実際には、講習修了だけでは国家資格は取得できず、最終的に国から『無人航空機操縦士技能証明書』の交付を受ける必要があります。

ドローン国家資格の取得には、国土交通省、海事協会、プロメトリックという「3つの異なるシステム」を、ご自身で行き来して手続きを進める必要があります。私自身も最初は、「ん?どこから手続きを始めればいいんだろう……」と、この3つのシステムの関係がよく分からず混乱しました。

そこで今回は、実際にドローンパイロットのライセンスを持つ行政書士の視点から、これから二等資格を目指す方が絶対に迷子にならないための「申請ルート」と、「手続き中に多くの人が焦ってしまう落とし穴」を分かりやすく解説いたします。

1. 最初に知っておくべき「3つのシステム」と役割

ドローン資格の取得は、以下の3つのサイトをまたいだリレー形式で進みます。まずはこの全体像を頭に入れておきましょう。

アカウント作成も支払いも、それぞれ別のシステムで行います。

そのため、普段あまり行政手続きをしない方は「どこで何をするのか分からなくなる」ことが少なくありません。

サイト名主な役割
① DIPS 2.0
(国土交通省)
すべての土台です。最初に「技能証明申請者番号」を取得し、最後に「技能証明書」の交付を受ける場所です。
② 試験申込システム
(日本海事協会)
国から試験を任されている機関です。学科試験の進捗管理や、最終的な「合格証明書」の発行を行います。
③ プロメトリック学科試験(CBT試験)の「会場」と「日時」を具体的に予約・決済する、試験会場専門のシステムです。

2. 合格までの5つのステップ(最短ルート)

今回は、最も一般的な「ドローンスクール(登録講習機関)に通って実技試験の免除を受けるパターン」の流れで解説します。

二等無人航空機操縦士の国家資格取得を目指す場合も、一等無人航空機操縦士を目指す場合も、基本的な申請の流れは同じです。

ステップ1:【DIPS 2.0】アカウント作成&技能証明申請者番号の取得

まずは何よりもここからです。

国土交通省の「DIPS 2.0」というサイトでアカウントを作り、「技能証明申請者番号(10桁の数字)」を取得します。

これが受験手続き全体を通じて使用する固有の管理番号になります。スクールへの申込みや試験申込みの際にも必要になりますので、まずはこの番号を取得しておきましょう。

また、この番号は受験時だけのものではありません。資格取得後も、技能証明書の更新や限定変更、飛行許可・承認申請などの各種手続きで利用することになりますので、大切に管理しておきましょう。

ステップ2:【スクール】受講と修了審査

取得した10桁の番号を、最寄りのドローンスクールに提出して、講習を受けます。

最後の実技審査に合格すると、スクールから「講習修了証明書」が発行されます。

これにより、国の実地試験が免除になります。自動車学校の仕組みと似た感じですね。実際、自動車学校でドローンスクールというパターンもよくみかけます。

ドローンスクールごとにカリキュラムや、資格取得までの日数、料金もそれぞれ違いますので、お住まいの地域でよく調べてみてください。

ステップ3:【海事協会 ⇒ プロメトリック】学科試験の受験

ここが一番の連動ポイントです。

  1. まず日本海事協会の「無人航空機操縦士試験申込システム」で学科試験の申込申請をします。
  2. 申請が通ると、そこから「プロメトリック」のサイトへ案内されます(ID連携)。
  3. プロメトリックの画面で、お近くの会場と日時を選んで受験予約をし、決済します。
  4. 当日、会場に行ってパソコンで学科試験(CBT)を受験します。

プロメトリックというのは、CBT試験の受験運営組織で、IT系はじめさまざまなコンピュータ上でのテストを実施している会社様です。

駅前などに複数受験会場をもっていて、開催日時と受験場所を受験者の都合で選んで受験することができます。

ここも少し迷うところなのですが、まず試験科目を選んで、その後、下のほうまでスクロールして「ID作成はこちら」からプロメトリックのIDを作成します。もしも過去にプロメトリックで受験したことがある方はそのアカウントでログインすればOKです。プロメトリックID作成後、あらためて会場と日時を選択して受験を申し込みます。

ステップ4:【海事協会】試験合格証明書の発行

「学科試験の合格」「スクールの修了(実地免除)」「身体検査(※)」の3つが揃ったら、再び日本海事協会のシステムへログインします。

この3つの実績をデータ連携して、「試験合格証明書」を発行してもらいます。

「身体検査」と聞くと、病院で本格的な健康診断を受けなければならないのかと思われるかもしれません。身体検査は、運転免許証による確認のほか、医師の診断書等による方法も選択できます。

多くの方は運転免許証を利用した方法を選択されるようです。お手持ちの「運転免許証」をスマートフォン等で撮影して提出する「書類審査」が一番手軽でおすすめです。

ステップ5:【DIPS 2.0】技能証明書の交付申請(ゴール!)

海事協会から「試験合格証明書」が発行されると、そのデータが自動的に国土交通省(DIPS)に送られます。

最後にDIPS 2.0にログインし、「技能証明書の新規交付申請」を行います。

手数料を国に納付し、しばらく待つと、ご自宅にピカピカの「無人航空機操縦士技能証明書(カード)」が届きます!

⚠️ 【要注意】画面の表示に焦らないで!システム連携のタイムラグという「罠」

さて、ここからが実際に手続きをしたからこそ分かる、最もお伝えしたい注意点です。

手続きを進める中で、画面の表示を見て「あれ?失敗したかも……」と不安になる瞬間が訪れます。ですが、慌てなくて大丈夫です。

焦るポイント①:番号を入れたのに「存在しません」と拒否される

DIPS 2.0で技能証明申請者番号を取得後、日本海事協会のシステム(ClassNK)でアカウントを作成しようとすると、画面にこのようなメッセージが表示されることがあります。

「照合情報が一致しませんでした」

「さっき国から発行されたばかりなのに、なぜ?」と戸惑ってしまいますよね。私自身も実際にこの表示が出て、『何か間違えてるのでは?』と焦りました。

Screenshot

ですが、これは入力ミスでもシステムの不具合でもありません。国土交通省(DIPS)から日本海事協会へ、データが同期されるまでに数日間のタイムラグがあるためです。番号を取得した直後はまだ海事協会側にデータが届いていませんので、数日おいてから再度試してみてください。

焦るポイント②:決済までしたのに「申し込んでいる試験はありません」と出る

学科試験の申請を済ませ、受験料の決済も完了したあと、確認のためにマイページを開くと、以下のような表示が出て冷や汗をかかされることがあります。

「申し込んでいる試験はありません」

「お金だけ払ったはずだけど、申し込みがうまくいってないのでは……」と焦る瞬間です。

しかし、これもどうぞご安心ください。各機関(海事協会とプロメトリックなど)の間でデータの連携処理が完了すれば正しく反映されます。

💡 行政書士からのアドバイス:焦らずしばらく待ちましょう

役所のシステムや試験機関の連動手続きでは、ボタンを押して決済したからといって、その瞬間にすべての画面がリアルタイムに切り替わるわけではありません。背景では、それぞれのシステムが時間をかけてデータを照合し、連携を行っています。

画面の表示だけを見て「間違えたかもしれない」と慌てて何度も申請をやり直したりせず、まずは各機関から「手続き完了」や「予約可能のお知らせ」といったメールが届くのを落ち着いて待ちましょう。

「ドローンの手続きには、随所に少しのタイムラグ(時間差)がある」

このことをあらかじめ知っておくだけでも、ずいぶんと心に余裕を持って進められるはずです。

試験に合格しても証明書の発行に数日かかりますので焦らずに待ちましょう。

まとめ:一歩目は「DIPSのアカウント作成」から!

ドローンの二等資格は、スクールにお任せでは手に入りません。ご自身で3つのシステムを操作していく必要があります。

なお、二等無人航空機操縦士の取得費用は、学科試験料・身体検査費用・技能証明書交付手数料などを含めスクールによって大きく異なりますので、事前に確認しておきましょう。

ドローンの国家資格そのものはご自身で取得できますが、その後の機体登録や飛行許可・承認申請などの手続きは、慣れていないと意外に時間がかかります。

当事務所では、実際に二等無人航空機操縦士資格を保有する行政書士として、ドローン運用に関する各種行政手続きをサポートしております。

「自社でドローンを導入したいが、何から始めればよいか分からない」

「飛行許可申請や機体登録を任せたい」

そのような場合は、お気軽にご相談ください。

まずは最初の一歩、「DIPS 2.0でのアカウント作成と10桁の番号取得」から始めてみましょう!

(おわり)

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